シガーには、マシンメイドとハンドメイドがあります。また、巻かれる葉は一枚のまま使われる場合とシガレットのように細かく刻まれた葉が使われる場合があります(下記「FILLER」を参照)。 異論はありますが、タバコの発祥の地、キューバ産のハンドメイド・ロングフィラーは世界(シガー界)最高峰と言われています。
手巻きキューバシガーの葉巻職人はローラーと呼ばれ、まず一人前になるために6年の時間を費やします。キューバシガーの味わいを理解するにはまずこの6年という年月と、ようやくそれから始まるローラー職人達の熟練期間を頭に刻み込むべきでしょう。例えば、モンテクリスト Aやクアバ サロモネスは巻くのが難しいだけでなく、熟練を積んだごく少ないローラーにしか巻くことを許されません。
機械に頼らず手巻にこだわるキューバシガーは、まさに1本1本が貴重な出会いといえます。
ここでは、シガーの構造を紹介します。シガーの構造は外側から異なった3種類の葉(または葉の束)によって作られています。
シガーの構造
*WRAPPER(ラッパー)
ラッパーは、シガーを巻き上げている一番外側のタバコ葉です。丈夫で美しいものが選ばれ、シガーの中で重要な部分と考えられています。というのも、ラッパー用のタバコ苗だけは綿布等で完全遮光され時間をかけて大事に育てられることから、その重要さがわかるでしょう。
葉は上に行くほど、つまり太陽に近くなるほど色が濃くなりますが、見事にマデューロ色に染まった上質のラッパー葉はリミターダ(限定シガー)用に保管され何年か後に使用されることになります。
ラッパー葉は、他の葉とは違い収穫時からすでに厳しい審査を受け、穴の空いているもの、葉脈の目立つものは絶対に使われることがありません。また、一つのシガーシリーズの中でもラッパーの色は異なります。例えば、モンテクリスト No.2は生産量が多いため同じ工場、同じ年でもマデューロ(最も濃い色)からクラロ(最も明るい色)まであります。
*FILLER(フィラー)
TOPCUBANS.COMの販売するキューバ産葉巻は全てロング・フィラーを使った「Totalemente Hecho a Mano(完全ハンドメイド・手巻き)」シガーです。フィラーとは、シガーの3層構造、つまりラッパー、バインダー、フィラーの中で最も内部にあり喫味を決定する部分のことで、タバコ葉を原型のまま重ね、束にして巻き上げられたシガーのことをロング・フィラー、また刻んだタバコ葉を使って作られたシガーをショート・フィラーと呼びます。
ショート・フィラーはスクラップされたタバコ葉を機械で巻かれることが多く、一般的にその味わいは一貫性のある、そして良質のアロマを持つロング・フィラーに比べ大きく劣ると思われています。
各ブランドによる味わいの違いはほぼフィラーにより決定されます。フィラーは異なった喫味のたばこ葉を混ぜて作られますが、ローラー達はまるでページを一枚一枚重ねて本を作りあげるように様々な配分でタバコの葉を重ねシガーのフレーバーを決定します。その配分は絶対に公開されることはなく、それがゆえに熟練されたローラーの技術と完成度はときに芸術品と呼ばれるのです。
フィラーに用いられる3種類の異なった葉とは、
>Ligero(リヘロ):
色が濃く、シガーに深い味わいを与えるこの部分は太陽に最も近い最上部の葉です。タバコ独特の樹脂によりパワフルで燃焼が遅いため、主にシガーの中心部で巻かれます。
>Seco(セコ):
リヘロよりは喫感も色あいも軽く、茎中央部から摘まれます。
>Volado(ボラード):
最も地面に近い茎下部の葉です。燃焼が早くリヘロに比べると味わいはほとんどありません。
*Binder(バインダー)
リヘロ、セコ、ボラードによる調合フィラー束が出来ると、束の状態をキープするため、バインダー葉がそれを巻き包みます(その後にラッパーが仕上げます)。つまりバインダーはラッパーとフィラーの間にある2層目にあたります。
バインダーはフィラーの構造を維持し、さらに燃焼の過程でそれぞれの特徴を邪魔せず引き出さなければならないという大事な役割を持っています。見かけは美しくないけれども縁の下の力持ちのような存在です。