カッティング1
キューバ産ハンドロールシガーは吸い口を自分で作ります。火を点ける前にまず吸い口を作るのがシガースモーカーの大事な仕事のひとつです。その作業のことをカッティングと呼びますが、カッティングの目的は大切なシガーを傷つけることなく喫煙ができる状態にするために行います。
まずなんといっても、この動作は優雅に行われなければなりません。デートの最中など、他人と一緒の時には最も注目される瞬間だけに、手際よくさりげなく、そしてスマートに行いましょう。
1本のシガーには各部位に呼び方があり、ブランドのリングがある端(吸い口が閉じられている方)をヘッド、すでに切り口がある逆側をフットと呼びます。まずヘッドを注意深く観察すると、先端の何ミリかに本体とは異なった葉が巻きかぶせられているのに気付くと思います。その部分がキャップです。そしてキャップが巻き終わるライン(キャップと本体の境界)はキャップラインと呼ばれています。
シガーをカットする時は、キャップラインのすぐ上、つまりフットからヘッドに向かう直線が終わり、徐々に丸みを持ち始めるところ(かそれより少し先端)で行います。クアバなどのトルペド・タイプのシガーの場合は、キャップラインを見つけて、そこよりヘッド側を切り落とします。
カッティング2
シガーカッター(下記参照)を片手に持ち、もう片方の手にシガーを持ちます(普通は利き手にカッターを持ちます)。大きな筆を持つような手つきで、シガーをしっかりと手の中で固定し、ヘッドを右手側に向けておきます。
シガーカッターはカットできる状態で(ギロチンを開いたで)右手上で待機させ、ヘッドとカッターの間合いを徐々に詰めます。キャップラインを確認し、(ギロチンカッターの場合は)カットする場所に刃をあて、誰にも気づかれないよう深呼吸をします。
おもむろに、しかし思い切りよくヘッドを切り落とします。ここで躊躇するとみっともない吸い口になり、カッコ悪いだけでなく、シガーの喫感などに影響を与えてしまいます。
室内でカットする際には、灰皿の上で行いましょう。レストランなどではテーブルクロスの上で行っても構いません。
カットーライト
CUTTERS (シガーカッター):
カッティングの道具には、ダブルブレード(2枚刃)またはシングルブレード(一枚刃)のシガーカッター、シザー(はさみ)や円形の刃で穴を開けるだけのパンチカッターなどがあります。主なカッターを紹介します。
シガーカッター(ギロチンカッター):
刃をスライスさせ平面的にカットする方法。ダブルブレードとシングルブレードがありますが、使い方は同じです。穴に指を通し(リチャードはダブルブレード中指&親指派、リックはシングルブレード親指必殺派)、カッティングラインに刃を当て、迷わず思い切り切り落とします。上手くいくと見た目も美しく広い吸い口を作れることができるため、刺激の少ない円やかな喫感を得ることができます。
ピアス:
針によりキャップに穴をあける道具です。針で穴を開けるだけなのでヘッド部分を傷つけませんが吸い込みが舌の一部分に集中し、煙の刺激を強く感じます。パンチカッターも同じ原理です。
Vカット:
ヨーロッパで好まれてきたカットです。適当な喫量を得るのに十分な吸い口を作れますが、吸い終わりにタールが苦く感じられたり、スモークポイントが舌から遠すぎると言われることがあります。
LIGHTING YOUR CIGAR(ライティング1)
シガーを点火する際に注意すべきことは2つです。
1つ目は着火道具の選択です。着火にはブタンガスライター(100円ライターで可)、シダー片、またはシガー用マッチを使用してください。オイルライターやロウソク、ワックスマッチは葉巻の味を著しく損なうので絶対に使用しないでください。
もう1つは、点火には時間をかけてゆっくりとすることです。急いで点火されたシガーは喫感を損なう可能性がありますので、ゆっくりゆったりと時間をかけて点火をしてください。ハバノシガーを楽しむためには時間をかけすぎるということは絶対にないのです。スマートに行いましょう。
LIGHTING YOUR CIGAR(ライティング2)
火に対して90度の角度に保ったままシガーを火に近づけます。直火での点火はシガーの温度を高め過ぎたり必要以上に焦がす原因になるので避け、火から離れたところでしばらく待ちます。ゆっくりと回転させながらフット部分を均一に炭化させます(直火に当てなくても火は熱いのです)。
フットが完全に黒くなったらおもむろにシガーを口にくわえ、ゆっくりと火を近づけます。火がフット近くになったらフットから炎が上がるまで何回か、ぷかぷかとふかし続けます。均一に燃焼させるために回転させながら何度もふかしてください。
ASHING(灰の処理)
基本的に、灰は自然に落ちるまで放っておき、シガーの先に残っている灰をあまり気にする必要はありません。シガーの灰はシガレットのように簡単に落ちないので灰皿の端でトントンと何度も叩き落すべきものではありません。
焦らないスマートさが必要です。長さや太さによりますが、基本的には灰は1度の喫煙で2度か3度落とす程度です。落ちる直前には意識的に灰皿の上で待つのもよし、シガーを一度軽く叩いてみてもいいでしょう。
しかし灰の行く末が気になってどうも落ちつかないという方は、どの程度まで燃えると灰が自然に落ちるか覚えておくといいかもしれません。
RELIGHTING(再点火)
燃焼時間が1時間ほどかかるような葉巻は1度で吸いきる必要はありません。少し休んでまた吸い直すのもいいですが、1度点火した葉巻の中にはニコチンが残るので休憩前にシガー内の煙を吹き出し、灰を落としておきます。しかしシガーはその日のうちに吸いましょう。もったいないからといって翌日に吸い直したりすると後悔します。
再点火する時は灰皿の端でフットの灰を完全に落としてから、やはりゆっくり時間をかけて点火してください。